「ちょっと、待った!」
それは何だと尋ねると、老母、平然として宣わく。
「スープよ」
トーストに、サラダに、スープ、というのは、軽めの朝食の定番かも知れない。さっきのサラダにも異議はあるが、今出てきたのは、絶対スープではない! 何となれば、缶のラベルに
「ボルシチ」
と書いてあるではないか!!!
昨夜、台所の流しの側に、問題の缶詰が、でん!と置かれていたので、まさかとは思っていたのだが、本当に出してくるとは!
以前にも、朝食に、「スープ」と称して、でっかい肉の塊がゴロゴロは行った「タンシチュー」を出してきた前科があるので、「シチューはスープではない!」ということを散々言って聞かせたつもりだったのだが、「シチュー」の文字がない「ボルシチ」には、確かに言及していなかったのは、こちらの落ち度と言えば落ち度かも知れない。
しかしながら、いくら「シチュー」と書いていないからと言って、ラベルに書かれた写真を見れば、「ボルシチ」という名前を、仮に聞いたことが無くても、どういうものか、分かりそうなものを・
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